積層造形(Additive Manufacturing)とは、3D CADなどのデジタルデータをもとに、材料を一層ずつ積み重ねながら立体物を製造する加工技術です。
英語ではAdditive Manufacturing(アディティブ・マニュファクチャリング)と呼ばれ、略してAMと表記されることもあります。
一般的には「3Dプリント」「3Dプリンティング」と呼ばれる技術とほぼ同じ意味で使用されることが多く、樹脂、金属、セラミックスなど、さまざまな材料を使用して立体物を製造することができます。
従来の製造方法では、材料を削り取る「切削加工」や、金型に材料を流し込む「射出成形」などが代表的ですが、積層造形では、必要な部分に材料を付加しながら形状を作ることが大きな特徴です。
そのため、従来工法では製造が難しかった、
などの製造に活用されています。
現在では、単なる試作品の製作だけでなく、機能部品の製造、小ロット生産、航空宇宙部品、自動車部品、医療機器、歯科製品、製造用治具、補修部品など、実際の製造現場でも利用されています。
積層造形とは、材料を一層ずつ積み重ねることで立体物を製造する技術です。
英語では、
Additive Manufacturing
と呼ばれます。
「Additive」は「付加する」「加える」という意味を持ち、「Manufacturing」は「製造」を意味します。
つまりAdditive Manufacturingは、直訳すると**「材料を付加しながら製造する」**という意味になります。
一般的な製造方法では、材料を削ったり、切断したり、金型を使って成形したりします。
一方、積層造形では、3Dデータをもとに必要な部分へ材料を追加しながら、立体形状を形成します。
この「材料を付加して形を作る」という考え方が、積層造形の基本です。
「積層造形」と「3Dプリント」は、非常に近い意味で使用されます。
一般的な会話では、
積層造形 ≒ 3Dプリント ≒ 3Dプリンティング
と考えても大きな問題はありません。
ただし、使用される場面やニュアンスには少し違いがあります。
一般的なユーザーや企業担当者にも分かりやすい表現です。
試作品、模型、部品などを3Dプリンターで製作することを指す場合に多く使われます。
製造技術や加工技術として説明するときに使われることが多い言葉です。
製造業や研究開発などの分野で、より広い意味で使用されることがあります。
単に3Dプリンターで形を作るだけではなく、
などを含めた、新しい製造技術・製造プロセスとして捉える場合に使われます。
簡単に整理すると、
3Dプリント
→ 一般的で分かりやすい呼び方
積層造形
→ 製造技術としての呼び方
Additive Manufacturing(AM)
→ 産業・製造分野で使われる技術概念
という違いがあります。
積層造形では、まず3D CADなどを使用して立体形状をデジタルデータとして作成します。
その3Dデータを薄い断面に分割し、一層ずつ形状を作っていきます。
基本的な流れは、
製品設計
↓
3D CADで3Dデータ作成
↓
造形用データへ変換
↓
スライス処理
↓
材料を一層形成
↓
次の層を形成
↓
積層を繰り返す
↓
立体形状が完成
↓
造形後処理
↓
検査・仕上げ
となります。
例えば、厚さ0.1mmの層を積み重ねて高さ100mmの製品を作る場合、単純計算では約1,000層の積層によって立体形状を形成することになります。
実際の積層ピッチは、使用する方式や材料、装置、製品形状によって異なります。
MJFは粉末材料を使用するため、光造形方式と比較すると表面に粉末由来の質感が残る場合があります。
滑らかな外観を求める場合は、
例えば、
1層目を作る
↓
2層目を作る
↓
3層目を作る
↓
4層目を作る
という工程を繰り返し、最終的に立体物を完成させます。
このため、積層造形では「積層方向」が重要になります。
積層方向によって、
などが変化する場合があります。
そのため、3Dプリントでは単に3Dデータを作るだけでなく、どの方向に造形するかを考える「造形方向」の設計も重要です。
などの後加工を行うことがあります。
MJFは機能部品や工業部品の製造には適していますが、鏡面のような光沢感を求める場合には、そのままでは適さないことがあります。
外観品質を重視する場合は、後加工を組み合わせることが重要です。
造形後には、未結合の粉末を除去する必要があります。
複雑な内部構造を持つ製品では、内部の粉末を完全に除去することが難しい場合があります。
そのため、設計段階で粉末の排出方法を考える必要があります。
MJFで使用できる材料は装置やメーカーによって異なります。
材料によって、
などが異なるため、用途に合わせて材料を選択する必要があります。
MJFは小ロット生産や多品種少量生産に適していますが、非常に大量の製品を長期間生産する場合には、射出成形などの従来工法がコスト面で有利になる場合があります。
そのため、
数量が少ない
→ 3Dプリント
数量が非常に多い
→ 射出成形
という単純な判断ではなく、製品単価、金型費、納期、設計変更の可能性などを含めて検討することが重要です。
積層造形には、材料や造形方法によってさまざまな方式があります。
液体状の光硬化性樹脂に紫外線などの光を照射し、樹脂を硬化させながら積層する方式です。
代表的な方式には、
などがあります。
光造形は、比較的高精細な造形が可能で、滑らかな表面を得やすいことが特徴です。
主な用途は、
などです。
熱可塑性樹脂のフィラメントを加熱して溶かし、ノズルから押し出して積層する方式です。
比較的扱いやすく、家庭用から業務用まで幅広く利用されています。
主な材料には、
などがあります。
粉末状の樹脂材料にレーザーを照射し、粉末を焼結させながら積層する方式です。
造形物の周囲にある未焼結粉末が造形物を支えるため、基本的にサポート材を必要としません。
複雑な形状や中空構造などの製造に適しています。
MJFは「Multi Jet Fusion」の略称です。
粉末状の材料に専用の薬剤を噴射し、熱を加えて材料を結合させながら造形します。
SLSと同様に、基本的にサポート材を必要としません。
複数部品をまとめて製造しやすいため、
などに活用されています。
金属粉末などを材料として、レーザーや電子ビームなどのエネルギーを利用し、金属を溶融・結合させながら積層する方式です。
代表的な技術には、
などがあります。
主な用途は、
などです。
積層造形では、さまざまな材料が使用されます。
最も一般的な材料の一つです。
などがあります。
FDM/FFF方式や粉末造形方式などで使用されます。
SLA、DLP、LCDなどの光造形方式で使用されます。
材料によって、
などの特性があります。
金属積層造形では、
などが使用されます。
高強度や耐熱性が求められる部品の製造に利用されます。
セラミックスを使用した積層造形技術も研究・実用化されています。
高温環境や特殊な材料特性が必要な分野などで活用されています。
積層造形の大きなメリットは、従来工法では加工が難しい複雑形状を製造できることです。
例えば、
などです。
特に、複数の部品を一つの部品に統合する「部品統合」は、積層造形の代表的な活用方法の一つです。
多くの積層造形では、射出成形のような専用金型を必要としません。
そのため、
などに適しています。
3Dデータを変更することで、比較的容易に形状を変更できます。
そのため、
設計
↓
試作
↓
評価
↓
設計変更
↓
再試作
という開発サイクルを短縮できます。
積層造形では、内部を中空にしたり、格子構造にしたりすることで、強度を維持しながら軽量化できる可能性があります。
特に航空宇宙、自動車、ロボットなど、軽量化が重要な分野で注目されています。
従来は複数の部品に分かれていた製品を、一体化して製造できる場合があります。
これにより、
などにつながる可能性があります。
3Dデータを変更することで、個々のユーザーに合わせた製品を製造できます。
そのため、
などにも活用されています。
積層造形は、試作や小ロット生産に強い一方、大量生産では射出成形などの方がコスト面で有利になる場合があります。
そのため、数量に応じて製造方法を比較する必要があります。
積層造形では、一層ずつ材料を積み重ねるため、表面に積層痕が現れる場合があります。
必要に応じて、
などの後加工を行います。
方式や材料によっては、積層方向とそれに垂直な方向で強度に差が生じる場合があります。
そのため、製品の使用方向を考慮した造形方向の設定が重要です。
方式によっては、
などが必要になります。
さらに、製品用途によっては、
などの後加工を行う場合があります。MJFとSLA・DLPは、使用する材料と造形原理が大きく異なります。
液体状の光硬化性樹脂を光で硬化させます。
得意な用途
粉末状の熱可塑性樹脂を薬剤と熱によって結合させます。
得意な用途
簡単に整理すると、
外観・精細さを重視
→ SLA・DLP
強度・機能性・生産性を重視
→ MJF
という選択が一つの目安になります。
積層造形と切削加工は、材料の扱い方が大きく異なります。
材料を付加して形状を作ります。
材料を積み重ねる
という考え方です。
材料の塊から不要な部分を削り取って形状を作ります。
材料を削る
という考え方です。
積層造形は複雑形状や中空構造、小ロット生産に強く、切削加工は高精度な部品や金属部品などに強いという特徴があります。
どちらが優れているということではなく、製品の形状や数量、材料、精度、強度などによって使い分けることが重要です。
射出成形は、金型に溶融した樹脂を流し込んで製品を製造する方法です。
大量生産では非常に高い生産性を持ちます。
一方、積層造形は基本的に金型を必要としないため、少量生産や試作に適しています。
製品開発では、
積層造形で試作
↓
設計・機能評価
↓
量産設計
↓
射出成形で量産
という使い分けも可能です。
積層造形は、特に以下のような製品に適しています。
新製品開発の初期段階で、実物を確認するために使用します。
実際に組み付けたり、動かしたりする部品を製作します。
製造現場専用の治具や工具を製作します。
従来工法では加工が難しい複雑な形状を製作します。
中空構造や格子構造を活用した軽量部品を製作します。
個別仕様に合わせた製品を製作します。
生産終了した部品や廃番部品を再製作します。
金型を作るほど数量が多くない製品を製造します。
積層造形は、さまざまな産業分野で活用されています。
積層造形を効果的に活用するためには、従来の製造方法とは異なる設計思想が必要になります。
そこで重要になるのが、
DfAM(Design for Additive Manufacturing)
です。
これは、積層造形に適した設計という考え方です。
従来の加工方法では、
「加工できるか?」
を考えて設計します。
一方、積層造形では、
「積層造形だからこそ作れる形状は何か?」
を考えます。
例えば、
などがあります。
積層造形のメリットを最大限に引き出すためには、単純に従来部品を3Dプリンターで作るだけでなく、積層造形だからこそ可能な設計へ変更することが重要です。
積層造形では、トポロジー最適化との組み合わせも注目されています。
トポロジー最適化とは、必要な強度や剛性などの条件を満たしながら、材料を減らして最適な形状を導き出す設計手法です。
従来の切削加工では製造が難しかった形状でも、積層造形なら製造できる場合があります。
そのため、
シミュレーション
↓
トポロジー最適化
↓
3D CAD設計
↓
積層造形
というデジタル製造の流れを構築できます。
特に、
が重要な分野で活用されています。
積層造形は、以前は「試作品を作るための技術」というイメージが強いものでした。
しかし現在では、実際の製品や部品を製造するための技術としても活用されています。
例えば、
試作
↓
機能試作
↓
小ロット生産
↓
多品種少量生産
↓
カスタム生産
↓
最終製品製造
というように、積層造形の活用範囲は広がっています。
特に、
といった製造では、積層造形が有効な選択肢になる場合があります。
積層造形の大きな特徴は、デジタルデータから直接製造できることです。
例えば、
3D CADデータ
↓
製造用データ
↓
3Dプリンター
↓
製品
という流れで製造できます。
このため、従来の製造方法と比較して、設計データと製造工程のデジタル連携がしやすいという特徴があります。
さらに、
などを組み合わせることで、デジタル技術を中心とした製造プロセスを構築できます。
積層造形は、単なる「3Dプリンターによる造形技術」から、製造業のデジタル化を支える技術へと発展しています。
今後は、
など、さまざまな分野で活用されることが期待されています。
特に、製品そのものを在庫として保管するのではなく、3Dデータをデジタル在庫として保管し、必要になったときに3Dプリントするという考え方は、積層造形ならではの製造モデルの一つです。
また、AIや3Dスキャン、シミュレーションなどの技術と組み合わせることで、設計から製造、検査までのデジタル化が進むことも期待されています。
A.積層造形とは、3Dデータをもとに材料を一層ずつ積み重ねながら立体物を製造する技術です。英語ではAdditive Manufacturing(AM)と呼ばれます。
A.一般的にはほぼ同じ意味で使用されます。ただし、積層造形やAdditive Manufacturingは、3Dプリンターによる造形だけでなく、設計、材料、造形、後処理、品質管理などを含む製造技術全体を指す場合があります。
A.Additive Manufacturingは積層造形を意味する英語です。「AM」と略されることもあります。材料を付加しながら製造する技術を指します。
A.代表的な方式として、光造形、FDM/FFF、SLS、MJF、金属積層造形などがあります。
A.樹脂、光硬化性樹脂、ナイロン、金属、セラミックスなど、さまざまな材料が使用されます。
A.いいえ。現在では試作品だけでなく、機能部品、治具、小ロット生産、多品種少量生産、カスタム製品、補修部品などにも活用されています。
A.方式や製品によっては可能ですが、非常に大量の生産では射出成形などの従来工法が有利な場合があります。積層造形は特に試作、小ロット、多品種少量生産などでメリットを発揮しやすい技術です。
A.金型を必要としない、複雑形状を製造しやすい、設計変更に柔軟、カスタマイズしやすい、少量生産に向いているなどのメリットがあります。
A.方式によっては積層痕が発生すること、造形後の後処理が必要な場合があること、大量生産では従来工法が有利な場合があることなどが挙げられます。
A.用途によって異なります。複雑形状や中空構造、小ロット生産では積層造形、高精度な金属部品や精密加工では切削加工が適する場合があります。
A.基本的には3Dデータが必要です。ただし、図面や現物、3Dスキャンデータなどをもとに3D CADデータを作成することもできます。
A.DfAMは「Design for Additive Manufacturing」の略称で、積層造形に適した設計を意味します。中空構造、格子構造、部品統合、トポロジー最適化など、積層造形の特徴を活かした設計が代表的な例です。
積層造形(Additive Manufacturing)とは、3Dデータをもとに材料を一層ずつ付加しながら立体物を製造する技術です。
一般的には3Dプリントや3Dプリンティングと呼ばれ、樹脂、光硬化性樹脂、ナイロン、金属、セラミックスなど、さまざまな材料を使用することができます。
代表的な方式には、
などがあります。
積層造形は、従来の切削加工や射出成形とは異なり、材料を付加しながら形状を作るため、
複雑形状
中空構造
内部流路
格子構造
部品統合
軽量化設計
などを実現できる可能性があります。
また、金型を必要としないことから、試作品や小ロット生産、多品種少量生産、カスタム製品、補修部品などにも適しています。
今後の積層造形は、単なる試作品製作のための技術ではなく、3D CAD、3Dスキャン、AI、シミュレーション、トポロジー最適化などと連携したデジタル製造技術として、さらに活用範囲が広がることが期待されています。
アリエルでは、各種3Dプリント技術を活用し、3Dデータ作成から試作品、機能部品、小ロット生産、カスタム製品、補修部品、表面仕上げ、塗装など、お客様の用途や目的に合わせた製作方法をご提案しています。
「積層造形で試作品を作りたい」
「3Dプリントで機能部品を製作したい」
「従来工法では作れない複雑形状を作りたい」
「部品を一体化して軽量化したい」
「小ロットで製品を製造したい」
「3Dデータがない状態から相談したい」
など、積層造形・3Dプリントに関するご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。