インコネル(Inconel)は、ニッケルを主成分(50%以上)とし、クロムや鉄を添加した耐熱・耐食性ニッケル超合金です。1000℃前後の高温でも高い強度と耐酸化性を保持するため、航空宇宙のエンジン部品、ロケット、ガスタービン、原子力、化学プラントなどの過酷な環境下で使用されます。非常に頑丈な一方、加工硬化しやすく熱が逃げにくいため、難削材としても知られています。
■ 極めて高い耐熱・耐クリープ性
高温環境下でも組織が安定し、変形しにくい。
優れた耐食性: 酸やアルカリ、塩化物環境に非常に強く、酸化しにくい。
高い強度: 強度低下が起こりにくいため、700℃〜1000℃超の環境でも実用可能。
■ 航空宇宙
ジェットエンジン、ロケットモーター、タービンブレード。
エネルギー・産業: 原子炉部品(蒸気発生器管)、熱交換器、化学プラント機器。
■ 自動車
ターボチャージャー、エキゾーストマニホールド
■ インコネル600 (Alloy 600)
耐酸化性に極めて優れ、熱処理産業や化学プラントに使用される。
■ インコネル625 (Alloy 625)
孔食(局部腐食)や隙間腐食に強い。
■ インコネル718 (Alloy 718)
高温強度と溶接性が高く、航空機や宇宙船の部品に多い。
※ インコネルは「難削材」の代表格です。加工硬化(削るほど硬くなる)が激しく、熱伝導率が低いため工具に熱が集中し、工具の摩耗が非常に早いです。加工には、高圧クーラントやセラミック工具など、専門的な技術と条件が必要です。